そっけないNYアート事情の報告
2019年5月に2週間ほどNYに行った際に、複数人からお伺いしたアートにまつわる話を羅列しました。勘違いの聞き間違いなどあるかも知れず、裏どりしていないので事実の確証はありません。気休めの情報としてどうぞ!
ギャラリー事情
- NYのギャラリーは野球のような階層と考えると理解しやすい
- メジャーリーグか地元チームのヒーローか、自分の能力を見て決める
- 調子の悪い時期にメジャーリーグに張り付くより、ランクを落として療養してまたメジャーに返り咲くなどして、トータルで評判を落とさないように活動することが大切
- メジャーリーグにしてもI軍やII軍もあるので、その中での行き来も長期的にみて大切
- 日本のギャラリーはギャラリーの階層が厚くない&行き来しずらいのでアーティストにとってキャリア形成が難しい?
- メガギャラリーが台頭し、中間ギャラリーが潰れ、逆にオルタナティブは盛んになった傾向は顕著
- だが、若手や中間層の作品は売れてないわけではない
- 絵画は中間層や若手でもある程度は定期的に売れている、女性のコレクターも多い
- メガギャラリーがやっていけるのは、たくさんの支店があるから
- 美術館クラスのギャラリー空間で展示されている作品を買える顧客はNYでも少ない
- メガギャラリー以外、インスタレーションやコンセプチュアルアートの展示は難しい
- 美術館のような権威を見せつけるメガギャラリーが、オンラインセールスや支店での展示によりコレクターの購買意欲を高めるという相互作用がある
- 日本でのメガギャラリーと言われるANOMARYは支店を作らなければ所属アーティストの販売は難しいのでは?
アーティスト事情
- 人件費や物価が高いので、大成したアーティスト以外は売りやすい形態の作品が好まれる傾向がある
- 大成したアーティストのインスタレーションやプロジェクトは展示するが、それ以外は売りやすい形態の作品か、絵画に偏る傾向がある
- しかしソーシャリー・エンゲイジド・アートのアーティストもいることはいる
- キュレーターやギャラリストはスタジオ訪問をして、売れそうな作品があればフェアや展示に誘ってくれる
- お互いに紹介する文化があるので、ソーシャルスキルがあれば発表の場は、ある程度開かれる
日本人アーティスト事情
- 中国や韓国はアーティストコミュニティに財閥や財団などが助成をするので、コミュニティが機能している
- 日本のアーティストのコミュニティに外部からのサポートはないので、そこで活動をするという感じではない
- 他の国々のように、日本のアーティストやプロジェクトに財閥クラスや財団のサポートがないと、NYでは太刀打ちできない
- もの派などの評価のついた展示はサポートされるが、日本の若手アーティストの展示の展示のサポートは少ない?
- 日本人アーティストや日本のアートシーンはここ20年ほど、評価が高くなったり低くなったりはするが、概して常に興味の対象ではある(日本円と同じ?)
スタジオ事情
- ブルックリンでも利便性がよく周辺地域がオシャレになった所は、地価が高騰しはじめ、スタジオは利益の出るファッションやインダストリアルの人たちが増えている
- 月に一度かそれ以上に、コレクターなどからスタジオ訪問の依頼がある
- スタジオ訪問は、個人のウェブサイトからの問い合わせやフェアで出会った人、ギャラリーからの紹介など
- スタジオと自宅を一緒にするより、問い合わせが来た時に見せるチャンスを逃さないよう、スタジオは別の方が有利
- 若手のアーティストは家賃や物価の問題で、絵画以外はNYから去る傾向にある
- 日本はスタジオ訪問もなく、コレクターも少ないので若手には辛い?
- 日本は売れなくても物価が安く生活できるので、実験的なシーンがある?
- 実験的やコンセプチュアルなことをしたければ、ドイツへ行け
そのほか
- 契約は日本よりアメリカの方がダントツにわかりやすい、ダメな範囲が明確
- 日本は紙の契約も複雑、それ以外に空気感という曖昧な契約がある?
- 若手アーティストの絵画は、サインは重要視するが作品証明書はあまり重要視されていない傾向
あとで書き足すかもですが、以上です!