Open Studio Tokyoの制作メモ

Open Studio Tokyoというサービスを作り途中。

Open Studio Tokyoとは

オープンスタジオ東京というサービスを始めました(これからはじめる)。

openstudiotokyo.baexong.net

アーティストの仕事場のことを、アトリエ(フランス語)とかスタジオ(英語)と日本では言います。 ちなみに私は自分の仕事場を「事務所」と呼んでいますが、友人に変だよと言われます。

日本には多様な芸術の現場があるのに(アーティストだけに限らず)、海外から調査にきた人たちと接点も持たないこともあるので「もったいない!」と思いたち、勢いで作りました。 スタジオが自宅兼用、シェアしていてるなどの理由で住所はおおっぴらにはしたくないけど、もしタイミングがあえばスタジオ訪問来てもいいよ、どこか場所を設けてプレゼンしてもいいよというアーティストと、主に海外からのキュレーターやコレクター、アーティストを繋げるお手伝いをします。キュレーターやコレクターに制作現場を見てもらうことも大切。 まだテスト運用中ですが、興味のある人、テストサイトにご協力いただける人はご連絡くださると嬉しいです!

というのがサービスを立ち上げた趣旨です。なぜアーティストは仕事場をキュレーターやコレクターに公開した方が良いのかというと。

  • どんな趣向性か理解しやすい、スタジオにある細々した作品群も含め、言葉では説明できないことも理解してもらいやすい。
  • キュレーターやコレクターが来た時、相手が想像していなかった作品との出会いがあったり、コミッションワークに繋がったりする
  • 展覧会前に、制作風景をキュレーターと共有することで意思の疎通がはかれる
  • コレクターが買おうかどうか迷っている時、他の作品たちも見せて作風の深いところまで理解されるので、買ってもらいやすいまたは、固定の(何度も買ってくれる)コレクターになってくれやすい

アメリカやヨーロッパでは(アジアでスタジオビジットの話を聞いたことがないのでわからない)

  • 展覧会で作品を見た後に、コレクターがスタジオ訪問して、展覧会に出品しているもの以外も買っていく
  • 日本のアーティストがNYなどのギャラリーと契約しても、訪問できる場所にスタジオを持ってないと作品を見ながら打ち合わせができないので不利

という話を時々ききます(アートフェアとか、ぱっと売り買いするような現場はまた違うのかと思いますが)。

で。日本のアーティストの仕事場の事情と言いますと、訪問してもらうほど広くないのが実情です(泣)。 なんなら自宅の四畳半の和室で、部屋いっぱいに作品を作っている人もいますし、四畳半に畳とはいわなくても、衣食住を共にするワンルームの部屋で生活感いっぱいで制作している人もいます。絵筆がちらかっているなら「アーティストらしい(ってなんだ!?)」かもしれないですが、洗濯物や食器を片さないと客人を部屋にあげられる状態じゃないという人もいます。 もちろん大きなスタジオを持っている人たちもいますが、比較的郊外が多いです。最寄駅のない(徒歩30分とか!)の大きな倉庫を数人で借りているアーティストたちもいます。

そんなこんなで、狭かったり、広くても行くのは無理じゃろ...と、日本ではスタジオ訪問はそれほど積極的には行なわれていません(一方、一部の利便性のよいスタジオを持っている人たちは、積極的にオープンにしたり、スタジオで展覧会もしています)。しかし、利便性は悪くとも部屋が狭くとも、制作の現場は時々人に見てもらった方がよいのではないのかー(しょっちゅう展覧会ができてコンスタントに売れたり、次のコレクターやキュレーターと繋がっている人以外は)と私は思います。狭くてなんぼ!

そして、海外で紹介される日本のアーティストには偏りがあります。

  • 英語が喋れるアーティストは仕事がしやすいとか
  • 海外の人が好む傾向の作品をつくっているとか
  • 一度大きく紹介されたらその情報を見て次の仕事がくるので同じアーティストが使われるスパイラルになっているとか
  • 日本語以外で情報発信していないアーティストが多すぎるとか
  • 海外の人が日本に調査にきても、その時にやっている展覧会で出会うか、紹介してもらうしかない

等々、諸々と理由はあるかと思いますが、それにしても偏っている。 日本であんまりうまくいっていない(と思っている)人でも他の国ではもう少し展示の機会があるかもしれない。 ということで、せめて上にあげた理由の後者二つ「日本語以外の情報発信/調査しに来ている人との出会い」を解決できれば、日本の多様なアートシーンが日本以外にも広まるかも!と思いたちました。

個々のウェブサイトで発信しても、海外からの検索になかなかひっかからないし、プロモーション用に外国語でSNSをしてみても制作との両立で閑散としがち。。。という前例をたくさん見て来たので

  • 一度登録すれば、あまり更新しなくてもよい
  • 情報が網羅されたサイト

という二つだけに的を絞ってサービスと開発しようかなと。 ちなみに私はプログラマではなく、アーティスト兼キュレーターです。 そして、このサービスに開発費用を出してくれる出資元はありません(求む)。 なので、予算化するまで開発はお金のかからない方法を選びました(NOT SO BADなブログの人に強く勧められた)。

blog.notsobad.jp

  • 自分の運用しているウェブサイトのサブドメインを使う
  • 検索などはCMSを使い、開発しない
  • 情報収集のフォーム(メールでやりとりすると情報がどこにあるのかわからなくなるので、スプレッドシートで一元管理)やアナリティクス(何をすれば良いのかわからないので、アクセス解析に基づき、サービスに力をいれるところを変えていく)は、無料のグーグル先生だより

サービスが大きくなって予算化したら、誰かプログラムのかける人に頼んだり、独自ドメインに引っ越ししたり、焼肉食べたりしたいな。 最初に公開するまでの開発日数は2日かけました。

1日目:悩みの日

  • メモ用紙に、サービスの概要と見取り図と、あわよくばの妄想を書き出す(1.5時間くらい)あとで犬にメモを食いちぎられる
  • サーバーとドメインを最初に独自で取得するか、サービスをがんばってフレームワークで作るか調べる(2時間くらい)
  • CMSでぱっと作ることに決めたのに、なんどもデーターベースを上書き構築したので、おかしくなって結局時間をとられる(2時間くらい)
  • CMSのテーマをおしゃれなのにするのか、シンプルなのにするのか悩む(1.5時間くらい)

2日目:勢いの日

  • とりあえず最低限のページを作って公開にこぎつける (3時間くらい)
  • メッセとメールで個別にアーティストに告知をする(1時間くらい)
  • グーグルアナリティクスでライブで開封状況を確認する、気になってPCから離れられない(断続的に3時間くらい)
  • メッセでのお返事は感触の良いものの、誰も登録してくれない((((;゚Д゚)))))))打ちひしがれる(2時間ぐらい)

とうことで、3日目からは改修のお話ですが、今日はここまでー。